大きく変わる銀行?(「捨てられる銀行」)

最近、銀行員の間では「捨てられる銀行」という本がちょっとしたブームのようです。

私もその本を読みました。金融庁長官が書かれている考えに共感し、事業性評価を一番大事にする姿勢・信念には大いに賛同します。

今まではあまりにも銀行の管理思考が強く、リスクを取らない、リ・スケジュール先には貸さないということが当たり前となっていました。地銀も信金も没個性というか、どこへ行っても同じようなことを言われるだけです。

中小企業の味方だと思っていた「信用保証協会」も冷たいものだと感じさせられたことがありました。第三者弁済(借主でも、連帯保証人・担保提供者でもない第三者の返済・・・借主の承諾があれば可能なのです。)を取引金融機関に申し出たところ、信用保証協会と相談しなくてはだめだと言われました。

他人の借入金を返済する奇特な人がいるのかとお思いでしょうが、、、無私の心で大人になっても、いつまでも助けてくれる奇特な人=「親」です。

この場合、ある金融機関がネックになって、メインとしていた金融機関が進める改善策の足を引っ張っていました。それを、父親がお金を出して返済するという単純な話です。その金融機関にしても貸出が減るいい話のはずなのですが、すんなりと話は進みませんでした。

埒(らち)が明かないので、直接、信用保証協会の本局へお願いに上がったところ、社長本人以外とは面談はしないとのこと。「経理部長も税理士さんもダメですか?」「ダメです。当社の方針です」。“当社ってあなたの所は協会でしょう”と心の中で叫びながらも、頑な姿勢を崩さないので仕方なく帰ってきました。

“リレバン(リレーションバンキング=地域金融機関)や信用保証協会は一体だれの味方?”

そういう思いを強くして帰ってきました。

こんなことしていて、中小企業融資にお金が回るはずがありません。
最近、リ・スケジュールを脱したところや内容の安定している企業には、次から次へと金融機関が借りてくれと言ってきます。

この本に書かれているように、財務内容は厳しくても、地域の雇用や産業にとって大きな貢献をしている企業などには融資をすべきだと私も考えていますが、残念ながら、まだリスクを取っての融資はこれからに期待という所です。

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